3歳児の活発な女の子、Hちゃん。女の子3人でお姫様のような出で立ち。首にはネックレス、長いスカートを翻し歩いています。私の所にやって来て、「バオバブの部屋に入っていい?」と小さな声で聞きました。中を見ると、今日はバオバブの日。2歳の子どもたちとお母さんがいます。私と3人のレディたちは入口のガラスに顔をつけて中をのぞき込みます。どうやら無理のようなので、3人に言いました。「バオバブやっているから無理のようだよ」「でもお姫様、みんなでオレンジを食べましょうか?」「食べるーっ」3人とも大きな返事の後、畑の際にある夏みかんを穫って、4人仲良く腰をかけて食べました。
次の日の園庭でHちゃん、前日とはまったく違った出で立ちでターザンロープや木登りにいそしんでいました。タイヤブランコの木に登っているHちゃん、年中の女の子に声をかけられてメソメソしています。木の下から私が声をかけました。「降りれるの?大丈夫?」日頃のHちゃんなら、登ったり降りたり自由自在の筈ですが木の上で顔を伏せています。「降ろしてあげようか?」もう一度聞くと、いやいやの様子。ピンときた私、担任の先生の名前を「◯◯先生に降ろしてもらおうか?」顔を伏せたまま、小さくうなずきました。
S先生を呼んで木のところに戻ると、Hちゃんはすでに木の下に降りていてニコニコしながら待っています。担任が声をかけると、今までのことが嘘のようにニコニコと対応しています。
子どもたちにとって自分のクラスの先生は本当に頼りがいがあるのでしょう。一年間の皆との生活で信頼や解りあえることが出来ているのでしょう。特に3歳児にとって先生の存在は最も大きなものなのだと実感した日でした。信頼という、人間の持つすばらしい感覚を子どもたちも日々の生活の中で確実に身につけていることを確認できたことに喜びを感じました。
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