2013年10月21日月曜日

あびの質2

 子どもたちにとっての「あそび」とは?
これは私たち保育者が常に考えている永遠のテーマなのかもしれません。下の写真は午後のあそびの一コマですが、上の2枚は年少(3歳児)のあそびの風景です。真ん中の1枚は年長(5歳児)のあそびの風景、下の2枚は年中(4歳児)の園庭でのあそびの風景です。園庭では異年齢の子どもたちが混ざり合ってあそぶのですが、その一つ一つを垣間みてみると子どもたちの発達の年齢によって違いが見えてきます。3歳児のあそびは、保育者と相撲を取っている場面です。保育者は3歳児ということで子どもの力を思いっきり出させ、3歳児が満足出来るように負けることを選択しています。自分たちは出来ると感じた子どもたちは後から後から押し掛けて相撲に夢中になっています。これはまだ3歳児が自分の力を充分に発揮するということよりも、保育者に支えられてあそびを展開している姿だと思います。こんな形で子どもたちの満足を充足させることの必要性を感じているからこそ、何回もつきあいながらその度に大げさに負けている姿だと思います。

 一方、下の2枚は4歳児のカイセンドンというあそびです。一本の線の上を走り、相手とぶつかった所でジャンケンをし、勝ったらどんどん進み相手の陣地を奪うというあそびです。保育者は子どものあそびの相手をすることよりも子ども同士がどのようにあそびを発展させていくかに視点をあてています。ですから、子どもたちが多少理解が難しい場面の補助に回ります。例えば、ジャンケンがどの子も理解している訳ではないので、ジャンケンポイと2人の間に立って言葉をかけています。3歳児とは違い、自分たちであそびたいという要求を満足させるためにそれぞれの子どもたちが持ち合わせた質を考え補助するようにあそびを盛り上げるように配慮しているのです。

 また、中央は年長のドッチボールです。年長にもなると、自分たちであそびを展開出来る力がつきます。これは、今までの仲間関係の育ちの基本があるため信頼出来る仲間やあそびのおもしろさを充分に知り尽くしていることで、自分たちであそびを賄えることが出来るようになるのです。ここでは保育者は一人の参加者として参加し、あそびをより盛り上げたり、方向を形作るように心がけています。

 このように、園庭のあそびを一見するとみんながワイワイとあそんでいるだけのように見えますが、それぞれのあそびをじっくりと見ますとそれぞれのあそびの子どもたちにとっての意味が見えてくると思います。子どもたちのあそびは深いです。これからもじっくりと見ていきましょう。